サウジスコアはなぜ生まれたのか?(2002W杯 ドイツvsサウジアラビア)
今回は2002年日韓ワールドカップ のドイツvsサウジアラビアという試合を紹介します!
こちらはスターティングメンバーです。
ドイツにはカーンやクローゼ、サウジアラビアにはデアイエやアル・ジャバ―がいますねぇ
さて結果ですが、当時のリアルタイムで日韓ワールドカップを見ていた人はどういう結果だったか覚えているはずですw
結果は以下の通りです。
ドイツ 8-0 サウジアラビア
(札幌ドーム)
19' 24' 69' クローゼ
39' バラック
45' ヤンカー
74' リンケ
89' ビアホフ
90' シュナイダー
なぜこのような試合になってしまったのか?当時の試合から原因を考えてみました。
原因① プレスがゆるすぎる
サウジの選手はたまにプレスをしますが、ほとんどせずwその結果、ドイツはハーフラインを越えた位置でもフリーでボールを保持でき、そこからサイドに散らすなどして攻撃できました。サイドでもプレスをかけないサウジは、フリーでクロスを上げられまくります。ボランチも全く機能していません。
原因② マークが甘い
特に前半はゴール前でのマークが機能していなく、背後から飛び込んでくる選手に対して付いていけてませんでした。ボールウォッチャーも発動しています。試合中の修正もありませんでした。
原因③ 圧倒的な身長差
ドイツと言えば身長が高い国です。この試合もシュナイダー以外は全員180cm越えで、ヤンカーなんて193cmですw一方のサウジアラビアも180cm以上の選手がいますが、ドイツ人と比べれば大人と子供のような感じになってしまいます。この身長差を有効に活用されてしまいました。
原因④ チームを鼓舞するような選手がいない
キャプテンのジャバ―が時折声をかけていますが、サウジの選手は試合中ほとんどコミュニケーションが無いように感じました。。監督もテレビで見る限り、ずっとベンチに座っていますwアジア最高のGKデアイエも大量失点にガックリ来ているのか、味方DFに激怒することもなく、呆然としています。
原因⑤ 攻めが単調
9番ジャバ―のみがテクニックでドイツに対抗できるぐらいで、ヌールやテミヤートもそれなりに動いていますが、やはりドイツ相手には厳しいです。ドリブルやパスで対抗しなければならないのですが、パススピードが遅く、中盤でカットされるためにシュートまでいけない。しかもピッチを広く使おうとせず、近くの選手にパスを出すために簡単にとられてしまう。悪く言えば視野が狭い。途中から入った7番シャハラ二は変化をつけれるような選手でしたが時すでに遅し・・。
原因⑥ ハードワーク不足
この試合を観に来た観客の中にはサウジアラビアを応援する人も多くいました(実際私も現地でそうでしたし、サウジコールも多かったと記憶してます)。しかし、序盤から大量失点し、そのまま負けました。多くの観客はサウジどうしたんだろう?と思うのと同時にハードワーク、悪く言えば「やる気」が明らかに足りないと感じたことでしょう。体格差がどんなにあろうとハードワークでカバーできますし、サウジはかつてそれで強豪国に勝利したことだってあります。
こうした原因が重なってこのスコアが生まれてしまいました。
やる気の無さは何かコンディションの影響だったのでしょうか?もしかすると札幌ドームの静かな雰囲気も影響してたのかもしれません。空席もありましたし・・。ただ、結局はわかりません。
■この試合がもたらしたこと
・サウジアラビアの印象が「弱い」「やる気ない」等に変化
2002年当時のサウジアラビアは、まだアジアの強豪国でした。1994年のアメリカワールドカップではベスト16に進出したことも記憶に新しかったと思います。しかし、この歴史的敗戦はそんな過去の栄光をかき消すレベルでインパクトが大きく、未だにサウジアラビアと言えばこの試合を思い出す人が多いはずです。日本での開幕日に行われた試合だったこともあり、注目されていました。
・「サウジスコア」という言葉が生まれる
8-0のスコアをサウジスコアと呼ぶようになりましたw
・「クローゼ」の名が一躍世界へ
この試合でハットトリックしたクローゼは、一躍注目を浴び、そのまま大会5得点と活躍しました。次のドイツワールドカップでは得点王となり、南アフリカ、ブラジルワールドカップでも代表に召集され、得点しました。ワールドカップ通算得点数は16点で歴代1位です!・・・このサウジ戦の3点はかなり大きいと思います(笑)。
もう15年前になりますが、札幌から日本へ、そして世界へ衝撃を与えた試合でした。